就活戦線を乗り越えてようやく入れた希望の会社。やりたい仕事は手に入れた。
でも、心配なのは「残業問題」。
特に私のいる建築業界は、残業体質の代名詞といってもいいくらい残業が多いことで有名です。私の現業から見える実態としても、長時間労働体質の会社がほとんどと思います。
今回はそんな建築業界で、「残業とのうまい向き合い方」について書いてみたいと思います。
建築業界の労働時間について
建築業界の労働時間は、数ある業界の中でも長い方と言われています。
一つのプロジェクトに対して関係者が多いので、やるべきことも多い、それが労働時間に跳ね返っている、というのが総論かと思います。
設計事務所であれば、設計図書の作成の物量がハンパないことはさることながら、別途関係者との打合せや社内のデザインレビューなどもこなしていく必要があります。
ゼネコン等の施工会社であれば、日中は現場が中心なので、それ以外の時間で打ち合わせや作業をせざるを得ない、などの状況があると思います。
デベロッパーであれば、日中自分の仕事をされている周辺権利者との会合などがどうしても夜の時間になることがよくあると思います。
大学時代から徹夜も辞さないキン肉マンスタイルに慣れている人が多いので、ベースの残業耐性が着いてしまっているのも、一つの原因のように思います。
また、私の会社は設計事務所ですが、建築設計を仕事と思っていない人が多い、要するに趣味に近い作業なので夜遅くまでやっても苦にならない、そんな人も結構いる印象です。あくまで印象ですが。
【結論】残業時間はコントロールできる
そんな建築業界で残業問題とどう向き合っていくか。
結論から言います。残業時間はコントロールできます。
そしてそれは完全に個人の意識で実現可能です。
サービス残業のように数字のマジックとして残業時間を減らすのではなく(サー残なんてするもんじゃありません)、ちゃんと意識をもって働けば実態の労働時間として適正にできます。
私もかつて若かりし頃は、業界の闇に染まり、毎日のように残業を繰り返していました。
働くより飲みに行ったりまち歩いたりするほうが普通に好きだったので、同僚に比べると元々「若い時は働いてナンボ」精神は持っていなかった方ですが、やはり建築学生をやっていたせいか、
”夜の作業に慣れている病”と”集中すると時間を忘れてやってしまう病”を持ち合わせており、気づくと深夜まで残業しちゃっていた、という感覚でしたが、一日の大半を労働時間に当てていたのは事実。
仕事に勤しんだこと自体は今の仕事に直結する能力を磨くことができたので後悔はしていませんが、あまり健康的な生活ではなかったと思います。
現在は二児の父となり、家庭というクラスターが増えたのと、同時に万が一のために健康にも気を遣わなければならないので、正直残業なんかしてる場合ではないのです。(飲みに行ってる場合でもなくなったのが少しつらいです笑)
ということもあり、残業(労働時間)を以下に減らせるかについては自分なりに意識的に試行錯誤してきました。
以下では、そんな私が現在どう残業と向き合っているか、についてご紹介します。
私の実践していること① 裁量労働制を逆手に取ろう!
私が実践していることはある意味これに尽きます。
- 裁量労働制を逆手に取る
建築業界は、いわゆる「裁量労働制」の会社が多いです。ざっくり言うと、はじめから一定の残業分が見込まれていて、月何時間働こうが月給は一緒、という制度です。
ニュースでもいっとき話題になりましたが、いわゆるブラック企業の温床と言われている制度ですね。
でも、よく考えるとメリットもあります。
何時間働こうが月給が一緒、というのは、いくら残業しても無駄、という反面、逆に労働時間が短くても仕事さえきちんとこなしていればお金はもらえる、ということです。ここを逆手に取ります。
(※労働時間をかけない、という意味で、やるべき仕事はちゃんとこなす前提ですよ。お忘れなく)
やることはもうおわかりでしょう。「労働時間を削る」です。これにつきます。
仕事を4時間で終わらせ、残り4時間を他の時間に当てる。これだけで給料はみんなと一緒でありながらフリーの時間を4時間も作り出したことになります。
また、8時間は仕事するんだけども、中抜きで日中に数時間自分の時間をとることで、自分時間の確保の仕方を工夫する、といったこともできます。
これは、定時制の会社ではなかなかできない働き方だと思います。ブラックと言われる建築業界にいることを逆にメリットに変えてしまいましょう。
※裁量労働制でもこうした働き方を認めていない会社もあるかもしれませんので、そこは各自調べてみてください
私の実践していること② 仕事以外の時間を先に決める
そうは言うものの、仕事を早く終わらせるのはテクニックやコツがいるので、「理屈はわかるけど無理っしょ」と皆さん言いたいですよね。わかります。私もこれは意識しつつも実践できていないです。
じゃ私はどうしているかというと、仕事以外の時間を先に決めてしまう、というやり方をしています。
24時間のうち仕事以外の自分にとって必要な時間を先に決め、その残り時間で仕事を終わらせる、という決め事です。
例えば、仕事以外の時間が16時間必要だとなれば、必然的に仕事は8時間で終わらせないといけなくなるので、嫌でも仕事効率を上げることになる、というシステム化を狙っています。
裁量労働制の場合、月20時間程度、1日あたり約1時間の残業が見込まれているので、仕事時間を9時間以内に収められれば目的達成の目安です。
私の場合、
- 7時間(だいたい23時〜6時)を睡眠時間
- 6時間(6時〜9時、18時〜21時)を育児・家事時間
- 1時間(12時〜13時頃)を昼食時間
- 日中どこか1時間を自分時間
と決めています。
睡眠時間と食事時間は当然確保。これ削っちゃだめですよ。特に仕事のせいで削るのはメンタル的にも最悪。
育児・家事時間は、大半はご飯作って食べたり洗濯物したり風呂入ったり保育園の送り迎えしたりという家庭運営として必要な時間で、残りを子どもと一緒に遊んだりする時間にしています。
子どもが小さいので、世話が大変なのもありますが何よりかけがえのない大切な時間だと思っているので、この時間はよほどのことがない限り家にいて家族と過ごすと決めているんですね。
(当然仕事の予定上難しい日はあるんですけど、100%なんてできる人のほうが少ないですから、8割9割できていればいい、と割り切っています)
もう一つ、日中に1時間自分時間を確保するようにしています。
これは病院に行ったり少しランチをゆっくりしたり趣味の練習したり買い物したり散歩したり、色々ですが、平日に行く方が効率がいいものをあえて積極的に予定を入れています。
在宅勤務の恩恵も受けていますが、仕事の息抜きにもなるし、混んでいる休日に家族を置いてわざわざ行く必要がなくなるメリットもあり、個人的には今のところ最高の時間の使い方だと思っています。
また、こっちの方が核心かもしれないですが、自分でしたいことの時間なので、やっぱり極力時間確保したい意識が働くじゃないですか。そうすると、仕事の予定がなるべく入らないように調整したり、その時間までに仕事を片付けようとがんばれたり、結果的に仕事効率が上がるんですよね。
こうした結果、必然的に仕事に充てられる時間は9時間となります。(計算あってますかね?笑)
仕事「に充てられる」時間をコントロールすることで、労働時間を減らそうという逆転の発想で、いまのところうまく回せています。
まとめ
まとめます。
- 建築業界が残業体質なのは事実。意識的にうまく向き合おう!
- 残業はコントロールできる。自分の意識次第!
- 悪者に見える裁量労働制を逆手に取ろう!
- 1日は誰でも24時間。仕事以外の時間を決め残り時間で仕事→勝手に残業ゼロへ!
もちろん、業務の波によってはうまくいかないときもあります。そもそも仕事が降ってこないようにするテクニックも駆使できればそれも軽傷で済みます。これについては別の記事で書いてみますね。
これから建築業界の荒波に立ち向かう皆さんに、少しでも役に立てれば嬉しいです。
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